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ワークもライフもほどほどが一番?

 最近では、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が流行語のように使われています。
 日本語では「仕事と生活の調和」と訳されていますが、“バランス”という言葉のニュアンスが影響してか、
「残業や休日出勤を減らし、家庭生活の時間を長くしよう」「過労死を防ぐためにも仕事はほどほどにして、趣味や運動に費やす時間を増やそう」というような、「仕事VS生活」という構図で話題にされているような気がしています。どちらかというと「仕事は生活の敵」という印象を持って(持たされて)いませんか?

        


「働く」と「暮らす」って別々のもの?

 今の日本で、生まれてから死ぬまで、一度も「働く」を経験しない人は稀なのではないでしょうか。誰もが何かしらの形で「仕事」に携わり、「働く」と「生活」の関係について考えることを経験していると思います。
 私たちが生きていくなかで、「仕事」はとても重要な要素です。大学卒業後22歳で社会に出て、60歳の定年を迎えるまで実に38年間。いまは65歳まで現役はあたりまえで、70歳を超えてもバリバリ働けるような環境が整いつつあります。そう考えれば
人生の中で40年以上の間(望むと望まざるとに関わらず)人は「仕事」と関係しているということになります。
 
 その、人生の大半をともに歩む「仕事」とどうやって付き合っていくのか、それは一人ひとりにとって大きな考えどころのはずです。仕事を、単に「苦痛・苦役」と捉え、「暮らすこと・生活すること」と切り離して対立させてしまうのは、人生にとってもったいないことだと思います。
働くことまでもをひっくるめて「人生」であり「生活」なのです。(あくまでも「働く」ことについてであり、職業や職種のことを言っているのではありません)

「働くこととともにある生活」=ワーキングライフ

 いわば「働くこととともにある人生」ーこれからは、それをそれぞれがデザインしていくことが大切です。
 いわゆる終身雇用のサラリーマン的な働き方を否定するものでは決してありませんが、それだけが「働く」姿の理想・最終形ではないということです。
 時間も、場所も、もっと自由に、一人ひとりが選択して組み合わせればいいんじゃないか。働く側が、自分の10年20年先を見据えて、そういうふうに意識を変えていく必要があるんじゃないか。私はそう考えています。

 要するに、いろんな働き方(=生き方)があっていいし、それが認められ、対応できる社会をつくっていくことが必要なのです。
 そしてそのためには、まずは一人ひとりが意識を変えて、
自分の「働く」と「暮らす」について考えてみる。それがとても重要なことなのではないでしょうか。

     

 
 上の図のように、「ワーク」は「ライフ」と対立するのではなく、”ともにある”というのが「ワーキングライフ」の考え方ですが、ライフにおけるワークの割合は、人によって、時期によって、様々です。もしかしたら、ある時期はライフの9割をワークに費やす、という場合だってあるかもしれません。しかしそういう時期も含めての「ワーキングライフ」です。
単に仕事と生活の時間が○:○だからいい・悪いというものではありません。
 ただ、目的を見失いだらだらと長時間労働をし、休日もずっと仕事のことを考えている、そんな状況に陥るのを防ぐ指標となることは間違いないのではないでしょうか。

企業・経営者…多様な働き方を認める職場づくり
○効果:優秀だけれど制約がある(短時間勤務など)人材の確保、
    経営効率のアップ、職場の魅力アップ、職場環境の改善
△課題:育児休業・介護休業などの労務管理、労働時間管理の複雑化、
    非正規雇用の問題、人員配置の複雑化

労働者…自らの望む「ワーキングライフ」を描き、働くことに対する意識を変える
○効果:仕事を楽しみながらの生活、能率アップ、やりがい・生きがいのある
    充実した暮らし
△課題:子育て・介護、自分や家族の健康問題、収入、人生設計(ライフ
    プラン)の問題

 上のように、「ワーキングライフ」の考え方を実践することはメリットもありますが、一方で乗り越えなければならない課題も多くあります。

 当事務所では、そうした課題を丁寧にお聞きし、ひとつひとつクリアしていくことで、企業と職員のよりよい関係づくり、環境づくりをサポートしていきます。
 また、職員向け・労働者向けの講演会なども承っております。
 まずはお気軽にご相談ください。